これでいいのか、未来の日本科学技術

今年もノーベル賞の季節がやってきました。メディアも明るいニュースを追って慌ただしそうです。私はノーベル賞については正直少し斜に見ています。アカデミアの政治的配慮が感じられるし、何故この研究が・・というものも結構ありますし。

それはさておき、2021年の物理学賞に眞鍋淑郎さんが選ばれました。とにかくおめでたいことです。調べてみると眞鍋さんは大学で博士号を取ってすぐにアメリカに渡り、米気象局からプリンストン大学に移られたそうです。1970年代に最先端コンピュータを提供されるなど研究環境の良さが日本を離れた理由とされています。当時はコンビュータと言えばFORTRANの時代で、私もカードをパンチするのに四苦八苦した記憶があります。

眞鍋さんは誰も気づいていなかった二酸化炭素と気候の関係で「気象物理学」という新しい分野を切り拓いたということです。現在当り前に猫も杓子も「脱炭素」を念仏のように叫んでいますが、その先駆けの理論的な裏付けをされたということです。

確かにここ数10年の気候変動が激しいことは誰もが感じているとは思いますが、果たしてCO2だけが原因なのかは懐疑的にみる必要があると思っています。太陽黒点や火山活動やメタン量といった現象との関連も重要な因子でしょう。ただ今の人間がどうこうできる対策はCO2排出削減だけであるわけです。2万年前の地球は氷河期で海水面が今から140mくらい下がっていたらしいですし、逆に6000年前は縄文海進で今より海水面が3m高かったということです。つまり地球はロングスパンで気温が大きく変化しているわけです。

 

眞鍋先生がアメリカに渡った大きな理由のひとつとして最近言われていることは、日本人の「調和を尊重しすぎる」という気質がある、つまり相手の気持ちを気にしすぎということで、アカデミアの中では本当は自由に議論を重ねることが必要なのに、学会ではとかくなあなあの議論が多いのも見かけます。会社やお客様の間では議論を持ちかけると、変な奴というレッテルを貼られますね。うまく社会を乗り切るため、出世するためにはいい奴といった印象が必要なのも事実です。変人といわれる人も良い面を尊重して重用するといった、これこそダイバーシティも必要なのでしょう。

最近かの有名な「本多—藤嶋効果」を発見した藤嶋昭先生のチームが、中国上海に拠点を移すことが伝えられました。既に日本で「人工光合成」研究が進みつつあるのですが、これの最初の理論であり藤嶋先生は優れた先駆者です。日本の科学技術の流出は今に始まったことではなく、現業の半導体や自動車分野でも問題視されています。なんとかしなければ10年後の日本は単なるアジアの1国になっていることでしょう。

2021年10月 三宅 仁

 

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