みゃーけさんのブログ  2019.09.01 アメリカの会社のパーパス「存在意義」は…

実は私も疑問を感じながらもそんなものかと信じていたことなのですが、【企業のパーパス「存在意義」は「株主の利益」が優先される】ということがあります。これは日本でいうと経団連に当たるらしいのですが、アメリカの「ビジネス・ラウンドテーブル」という組織から、1997年にこの「株主至上主義原則」の方針が出されたそうです。
今年8月に「ビジネス・ラウンドテーブル」が開かれ、新たな企業パーパスの方針が見直されました。それは「顧客、従業員、サプライヤー、地域社会そして株主などすべてのステークホルダーに重きを置く」ということで、腹落ちよくモヤモヤが晴れたようなものでした。「お客様は神様です」といった日本企業もありますが、日本企業の企業パーパスとしては至極当り前に言われることです。
今回の見直しについては、「若い労働者が利益最大よりも高尚なパーパスを求めている」とか「消費者が人や環境に良いことをしている企業に注目している」とか「社会意識の高い投資家が持続可能性、企業責任、社会的インパクトのある事業に積極投資する」といったことが原因とのことです。つまり環境や社会に対する思いが強くなっていることにほかなりません。アメリカの社会が全てトランプ大統領のような脱環境・一国至上主義ではないということでしょう。

日本企業の場合、ステークホルダー重視するということを以前から言っている会社は多いのですが、環境問題を積極的に謳っている企業が年々増加しているとはいえまだ多くなく、それもポーズであったりします。SDGs「持続可能な開発目標」のバッヂを付けて歩いている証券会社や銀行員を大手町でよく見るのですが、SDGsの意味を理解して実践している人は何%いるでしょうか。今年6月の大阪G20で安倍総理が打ち上げた、海洋環境の提唱「大阪ブルーオーシャンビジョン」のことを何%の人が覚えていますか。
熱しやすく冷めやすい日本人ですから、海の汚染問題についてもブームが去り忘却のかなたになってしまうことを危惧しています。今この瞬間にも陸地から海に流れているプラごみについて、なんとかできないかと思っております。
アイ-コンポロジーは東京都立産業技術研究センターと「海洋生分解性複合プラ」の共同研究を実施しています。実は面白い材料ができつつあります。実用化してこれから海に流れ出る可能性のある容器やカトラリーだけでも転換していけたら、少しでも海のプラごみ問題を改善できないかと思っています。しかしすでに海底に沈んでいる99%のプラごみはどうしようもありませんので、何百年かかって自然が分解してくれることに期待しましょう。

ちなみにアメリカ「ビジネス・ラウンドテーブル」の声明には、アマゾン、アップル、JPモルガン、ジョンソン&ジョンソンを含めた181社のCEOがサインしているそうです。アメリカの第一線企業の環境意識は、ヨーロッパ企業と同じくらい高いようです。日本企業はどうなのでしょうか。

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