みゃーけさんのブログ  2021.05.10 イノベーションは「遊び心」から

日本国中コロナが中心に廻っている状況が続いている。アメリカやイギリスではワクチン接種が進み、感染者が減少し落ち着きを取り戻しているやに聞く。あと数か月の辛抱でありできることに気を付けて毎日を過ごすしかない。ワクチンの自給もできず、コロナ病棟の医療従事者や保健所職員等の方々にたいへんなご負担をお掛けしている今の状況について、平時になって真摯に法律改正、もっといえば憲法改正まで踏み込まねばなるまい。厚労省を初めとした役人や政治家の手ぬるい対応にも国民は怒りを持って改善させねばなるまい。コロナウイルス災禍の1年数か月の間の生活や考え方が変化してきたのを全員が肌で感じているが、1年もすると喉元過ぎればなんとやらで以前の姿に戻るのは人間の性かなと思う。しかし今回だけは「備えよ常に」を忘れないようにしよう。もちろん国際情勢にも「備えよ常に」である。

私は中学時代からどういうわけか音楽に目覚め、大学まで吹奏楽やオーケストラやらにのめり込んでいた過去がある。会社に入ってからも恥ずかしながらビッグバンドの真似事をやっていたが、聴いていた音楽はもっぱらクラシックとジャズであった。元来教育的な合奏というジャンルは日本人の国民性に合っているわけで、周りの音とタイミングとハーモニーを合わせる、いわば忖度しながら皆でひとつの曲を完成させていくわけで、会社の仕事でも似たような環境に置かれることが多い。しかしイノベーションは生まれない。

バブルがはじけて30年、日本経済は立ち往生し成長がストップしてからも経営者はサラリーマン化して突き抜ける人は出なかった。ITとかGAFAといわれる全く考えもしなかった産業がアメリカで発生し成長して世界の覇権を握った。アメリカは言わずと知れたジャズの発祥地であり、黒人霊歌からニューオリンズ、ビッグバンド、モダン、フュージョンと進化を続けながら、個人技と感情の高まりやぶつかり合いからアドリブ名演が出る。ジャズはアドリブといっても、実はそこに原曲構成とコード進行が貫かれています。例えば大方のブルースは8小節×3フレーズ、原曲コード進行といった具合です。優れた日本人プレイヤーも輩出されるが世界中からも優れた人が次々に出てくる。そういえば、あのタモリ氏の教養講座「日本ジャズ界の変遷」という伝説的迷演もあったなあ・・

GAFAのような創造産業の源は自由な発想や周りの人との化学反応など、モヤモヤした固まりからイノベーションとして生まれるくるものらしい。ただここで過去の栄光は役に立たないが、過去の失敗は役に立つかもしれない。この先の未来を想像して何が必要になるかバックスキャンする余裕もほしい。しかし何といっても面白いことを見つけようとする人間が本来秘めて持っている「遊びのこころ」が最も大切ではないか。ジャズの世界では演奏も”Play”というし、どんなに下手くそでもやる人は”Player”である。つまりキーワードは「遊び」である。

 

2021年5月 三宅 仁

 

 

【ここから当社のコマーシャル】

エネルギーのCO2問題はさておき、アイ-コンポロジーの事業分野であるプラスチック材料についても、天然植物資源を利用したプラスチックや生分解プラスチックの開発や利用促進にもっと力を入れたいと思います。現在、海水中でも生分解する面白いプラスチック材料を創っていろいろな製品にトライしています。

皆様の声のご支援だけでなく、経済的なご支援もいつでも受け付けております。

 

【バイオエコノミー】について

2012年に欧州委員会で決定された「バイオエコノミー」は、環境負荷の小さい材料の開発を推進し大きなイノベーションにつなげて、産業も変えてしまおうという大転換です。日本も早く目を覚ましてヨーロッパの後追いでもよいので、科学技術と産業の転換に切り替えるべきなのです。何でも安価なものに飛びつく「損得エコノミー」「しらんぷりエゴ」から、真の価値を見極める「環境エコロジー」への賢いエコ選択に向かうべき時なのです。

アイ-コンポロジーは、木粉とプラスチックからできたウッドプラスチックで半分生分解性と植物由来原料化を実現してきましたが、今年、たいへん困難とされる海水での生分解性の材料をつくりました。もちろん当社の得意とする天然バイオマス成分が入っています。海のプラごみ問題で課題となっているマイクロプラスチックは残さないで分解します。また、バイオマス度(原料の植物由来率)が87%以上と高く、燃やしてもCO2の発生はカーボンニュートラルによりほとんどゼロになります。一般的に海洋生分解性プラスチック材料は成形性がよくないとよく言われますが、当社開発の材料は通常の射出成形で簡単に成形できます。多くの成形屋様で射出成形試作を行っていますが成形性は問題になっていません。今後ほかの成形法に適した材料をめざして多くの用途で使えるよう開発していく予定です。

 

(参考)【バイオエコノミーBioeconomyとは】

「バイオエコノミー」の意味はごく簡単に言うと、「再生可能な生物資源・循環型資源を活用して、食品・飼料はもとよりエネルギー・プラスチック・工業材料その他の付加価値製品に変換する、これを行うことで科学技術進化と産業化のイノベーションを大規模に行うこと」

ヨーロッパ委員会(EC)で2012年から大真面目に提唱され、欧州各国で長期のマイルストーン計画をつくって本格的に進められている。2050年にエネルギーを含めてCO2排出ゼロにすることを大目標にしている。2015年末のパリ協定もその一環。

 

・Bioeconomyについて、ぜひ下記の資料やHPを見てください。

  • 五十嵐圭日子「バイオエコノミーによるゲームチェンジを私たちはどう受けるか:欧州の動向に対する一考察」、JBAバイオサイエンスとインダストリー, 75,4,344(2017)

https://www.jba.or.jp/jabex/pdf/2017/BandI75-4_Series_bioeconomy_2.pdf

欧州委員会、https://ec.uropa.eu/research/bioeconomy/pdf/eu_bioecnomoy_apartment_katalog.pdf

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